90分(教室移動の関係で85分に短縮)完全講義型の授業を受け持つのは,実は初めてであった。自分が遂行できるのか痛烈に不安を感じて,章の区分が15個になっている伊勢田哲治(2003)『疑似科学と科学の哲学』を選択し,一節ずつ読み込んでいけば大丈夫だと考えた。
その不安はレジュメの内容にも反映した。2020年度「科学と技術」のレジュメは,大学院生が読書会で用いるような教科書の要約で,どちらかといえば講義ノートに近い。学生はレジュメにある内容をただ口頭で聞かせられる羽目になり,さぞかし退屈したのではないか。しかし,この授業は「定期試験100%」に設定したため,講義ノートをばら撒いて学生の不利益にはなるまいと,途中からは開き直って毎回レジュメを完璧に(?)仕上げた。
定期試験は「すべて持ち込み可」にして,問題も事前公表という形を取ったため,難易度を引き上げた。次年度差し替えるかは一考の余地があるが,過小決定について問うものは定番にしてもよさそうである。