NEC、PC-9801以来のゲーミングPC“再参入”。エントリーゲーマー向け「LAVIE GX」
NECは、ゲーミングPC市場への再参入を発表。タワー型ゲーミングデスクトップPC「LAVIE GX」を7月14日から発売する。(中略)同社では「PC-9801」をゲーミングPCだったと考えており、今回はゲーミングPCへの “再参入” だと説明。PC-9801発売から40周年を迎えるこのタイミングでの発表にしたという。
小野佳希『NEC、PC-9801以来のゲーミングPC“再参入”。エントリーゲーマー向け「LAVIE GX」』(PHILEWEB:2022/7/5)
私が8ビットパソコン(PC-8001やMSXシリーズ)について「その開発史を分析すれば、ビデオゲームユースを想定したハードウェアではないと結論できる」と主張する度に「それは違う、8ビットパソコンはただのビデオゲーム機だ」と反論が返ってくるわけだが。
ここに来て、PC-9801までもがゲーミングPC扱いである。PC-9801は、日本電気のコンピュータ事業を担った情報処理事業グループが生んだパソコンである。もちろん、ビデオゲームという娯楽は1970年代からコンピュータの個人ユーザに知られており、PC-9801でビデオゲームを楽しんだユーザも相当数いるに違いないが、PC-9801はビデオゲームユースを第一に想定したハードウェアではない。
が、この扱いである。つまり、パソコンは古くなると「あれはビデオゲーム機だった」という扱いを受けるという、それだけの話である。
追記(2022.7.6)
「8ビットパソコンはホビーユース、16ビットパソコンはビジネスユース」というのは、せいぜい2010年代までの『歴史観』であって、2020年代に突入すれば「1980年代のパソコンはホビーユース」という『歴史観』も生まれてくるのである。もちろん、私は前者と後者の『歴史観』に同意していない。
1970年代から1980年代まで、もっと言うならWindows95のブームが来るまでの、個人ユーザとパソコンの関係は、詳らかであるとは言えない。しかし、ビデオゲームは初期の段階から個人ユーザとパソコンを結びつけるものであったとは言っていいだろう。ではビデオゲーム以外はどうなのか、というのは、博士論文で何とか日本語ワードプロセッサの分析をねじ込んだものの、十分であったとは思っていない。